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「こんちわーっ」
体育館に入るとすかさず、大きな挨拶が飛び交う。
バスケ部は全部集まってる様子だった。
「健、集合するか?」
「おう」
僕はいちおう部長。
そして、将生は立派な副部長。
集合の合図をかけるのはいつも将生。
「よし、集合ーっ!!」
ほらこうやって。
将生が合図をかけると僕の周りに男女バスケ部員全員が集まってくる。
「インターハイまであと3ヶ月!!みんな気引き締めてやってこう!」
「「おう!!!」」「「はい!!!」」
インターハイまであと3ヶ月。
僕らの引退まであと3ヶ月。
今年の目標は“全国制覇”
…と言いたいところだが、
せめて“全国ベスト4”くらいにしておこうと思うこの頃。
部員全員が練習を開始すると汐莉が走ってきた。
「健っ!」
「ん、どした?」
いざ僕の前に来ると、汐莉はいつもモゴモゴし出す。
……可愛い
「えと…あの…」
「なに?」
「今日も…頑張ってね?」
「最後の方聞こえなかったからもっかい言って?」
「もう言わないもんっ…///」
嘘。バッチリ聞こえてた。
可愛すぎるからいじめたくなっただけ
やべー…俺、Sかも。
いじめたお詫びに
「……ありがと」
って汐莉の耳元で囁いておいた。
そしたら汐莉は真っ赤になって走って行った。
そんな後ろ姿を見送って、また可愛いなーと思う自分がいた。
「…ゴホン」
突然、背後から咳ばらいの音が聞こえて
僕は驚いて振り返った。
「ラブラブだねー^^」
「…うるせー」
「ニヤけちゃって」
「は?ニヤけてねーよっ//ほら部活やるぞ!!」
何やら聞かれてたみたいで。
かなり恥ずかしかった//
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