暖かな春の陽気に包まれて
桃の樹の真下 まだ少し
早かったみたい。
まだ蕾だらけの 桃の樹
枝と枝の間から見える
眩しい春の太陽
淡い青の世界が限りなく
広がっていた―・・・。
スズメ達が さえずりを始めた
雲がゆっくり 流れてく―・・・
この桃の樹の下で
ボクは静かに目を閉じる。

頭上に落ちた 桃の蕾1つ
大切に手に取り、
ボクは急な坂、下ってく。

『キミに、おみやげ。』

桃の花が咲き始める頃には、
キミと見に来よう。