『…あたし、決めた!』
彰の説明を聞いて、あたしはひらめいたんだ。
『ホワイトデーに、復讐を決行します!』
「おー!」
「………。」
パチパチと拍手してくれてる満くんに、呆れた顔をしている彰。
『彰ぁっ!ここはギャフンと言わせてやろーよ!あたし、悔しいもんっ』
彰の袖をグイグイ引っ張って、おもちゃを買ってほしい子供のようにごねる。
「バカ。フラれたら毒盛るようなヤツだぞ?何してくるかわかんねぇだろーが。お前が危険な目にあったらどうするんだよ」
ため息混じりにそう言った。
ねぇ、それってあたしを心配してくれてるの?
ダメだよ、彰。あたし、バカだから期待しちゃうもん。
『大丈夫だよ。それにね、溝口さんにも幸せになってもらいたいじゃん』
いろんな男の人に告白するってことは、まだ本当の恋を見つけてないからだよね。
中3でキャバ嬢はないっしょ。
「どこまでお人好しなんだよ」
彰はそう言うけど、満くんは。
「紗也さん、マジ優しいっすね!俺惚れちゃいますよ!!」
あたしの手を握ってそう言った。
『あはは〜』
「あはは、じゃねぇよ」
彰がその手をほどく。
「お前は俺にどうしてほしいワケ?ヤキモチ妬いたら満足なの?ならそーとー溜まってんだけど、俺」
『え?なんの話?あたしは彰にも協力してもらいたいんだよ』
「そっちじゃねぇし…」
え、どっち?
ってか満くん、その哀れそうな目、何?


