ホワイトデーの復讐




『彰ー?』



ノックしてみると、すぐにガチャリとドアが開いた。


でもそこにいたのは彰ではなくて。


ニコッと人懐っこい笑顔を浮かべた男の子。



「寝顔も可愛かったけど、起きてても可愛いっすね!」

『えっ?あぁ、ごめんね?来るってわかってたのに寝ちゃって…』



彰の友達に寝顔見られるなんて、恥ずかしッ!



「いえいえ♪あ!俺満です!よろしくお願いしますっ」



そう言って右手を出す彼。



『あたし紗也です。よろしくー…うわっ』



あたしも名乗って、その右手を握ろうとしたとき。


横から伸びてきた左手に掴まれて、満くんと握手することなく、彰の部屋に連れ込まれた。



「よろしくしなくていいから」



その左手の主は彰で。ちょっと怒ったような表情を浮かべていた。



『え?なんで?』

「あぁ、いいっすよ。コイツが嫉妬深いことはよく知ってますから」



クスクスと笑う満くんを睨む彰。



『へー…?』



意味がよくわからないので、とりあえずそう相づちをうった。



「……想像以上だわ」

「気づかないもんなんだよ」



今度はビックリしてる満くんに、呆れた表情の彰。


なんか2人とも、表情豊かだね?