自分に当てられているライトが眩しい




ライブハウスに入って1番に圧倒されたのは




それはもう数少ない観客




片手で数えられるほどの人数ではないか




デビュー初日のソラ達は戸惑いを隠せない




ソラ自身で作り上げたこのバンド




メンバーはたったの5人しかいない




ボーカルが2人
ギターが2人
ドラムが1人。




駆け出したばかりの新人バンド『BAN DIT』




その中にソラがボーカルとして存在した




相方のリョウは極度の音痴だったためみんなは苦労をしていた




歌い始めれば即効音程を外してしまう




その都度リョウはみんなに同じ台詞を浴びせる




「次頑張るから!!」




なのにリョウはちっとも上達してはいない




ソラはその度リョウを励ましてきた




ほかのみんな
ヨースケ
ダイチ
ノゾムもリョウを励ましてきた




誰かがミスをすれば『ドンマイ!』ってみんなでみんなを元気付けてきた




今まで頑張ってきたと言うのに




ライブは講演されなかった




みんなのテンションはがた落ち




そんなメンバーを見兼ねたソラは




「みんなで頑張んなきゃ意味ないよ!!私も一生懸命頑張るから!!」




するとみんなは




「うっしゃああああああ!!一丁やってやろーじゃん!!」




とすぐに体勢を整えた
リョウ
ヨースケ
ダイチ
ノゾムはソラを加えて手を重ね合わせた




そして誓った




“みんなをギャフンと言わせてやろうと"




ようやく今日の出来事が吹っ切れたBAN DITのメンバー一同




そして今週末くらいにストリートライブをすることを決心した




「で、だ。リョウ!お前は今から猛特訓だ!監視役はソラ!お前に任せた!」




「え?あ!!うん!オッケ!リョーカイ☆」