『なんで、いつもふざけてばっかりなのに今日は、やさしいのよぉ~。』
な―んて思いながら私たちは教室に本を運び終えた。

「ねぇ―奏?なんで図書委員になったのっ?」

「ぅんん~。暇で、らくそうだったから!?」

「そんな理由だと思った。」

「あはははッ!!それしか理由ね―じゃん!」

ドキッ。
『奏ってこんな顔で笑うんだっけっ。』
近くで見る奏の笑顔は、無邪気に笑う小さい子供みたいだった。