「……ですが、有力な情報が入りました。ダレス様を始めあの屋敷の者達を手に掛けたのは、あのユグドラシルの組織の者のようです」

「ユグドラシル、だと?」

その単語に紅蓮が反応する。

放つ殺気が、増した気がした。

「はい。確かな情報です」

「ククッ、ははは!」

「紅蓮様?」

突然嗤いだした彼は愉快そうに言った。

「そうか、やはり俺の邪魔をするか。……スカーレット」

「……」

レイヴンは敢えて口をはさまずに、彼を見ていた。

「この借りはいずれ返させてもらうぞ。……レイヴン」

「はっ」

「引き続き任務を続行し、一秒でも早くアレを手に入れろ」

「御意」








希望を持ち始めた少女に暗い闇は確実に近づいていた。