「和明さん、その子たち誰っすか?」
和明の後ろから、男の子が顔を出す。
「ああ、俺の後輩ー♪光莉、麻美ちゃん、こいつ俺の友だちの弟」
「山本 樹って言います、よろしくー♪」
和明に紹介されて、山本くんが頭を軽く下げて、笑う。
少し色素の薄い髪が朝日に光っていて、多分染めてはいないだろうけど綺麗だった。
にっこりと笑うその顔は無邪気でどことなく和明と似ていた。
「五十嵐 麻美でーす♪よろしくねっ!」
「で、この子が俺のかわいー後輩♪東堂 光莉」
「誰が"俺の"ですか、ばーか」
「ひどいっ!!」
「あはは」
あたしは和明と、麻美は山本くんとそれぞれに喋っている。
「そーいえば桐野先輩」
「いーよ別に和明でー♪」
「なんで茶髪にしたんですか?」
和明はいまさら気づいたように髪をさわり、あーこれね、とつぶやく。
「いやー、一回やってみたくてさ」
「自分でやったんですか?」
「金ないからなー」
「ヘタクソですね」
鼻で笑う。だってムラだらけなんだもん。
「しょーがないだろー、初めてなんだし」
少し照れて、苦笑する和明。
「あとなー、光莉」
「なんですか?」
「敬語とかもいらないぞ、別に。中学のときは部活とか周りで色々あったからそうだったけど
高校にもなったんだし気にすんなよ?」
