「何にやついてんだ、ばーか」 光莉は俺の頭をかばんで小突き、笑う。 すっかりもとに戻ったタメ口や軽い毒舌。 でも、 「帰るんでしょ?いこ」 俺の手を引き歩き出す光莉の耳が赤くなっているのをみたら、もう愛しいとしか思えない。 「光莉」 「何?」 「好きだよ」 光莉は俺を振り返り、何度かまばたきをしたあと、俺を見ていたずらっぽく、でもやっぱり少し照れていた。 「知ってるよ」