日直の用事を終えて走って階段を昇る。 息が上がっても気にならない。 暗い階段を昇り、ドアノブに手をかけると光があふれた。 「ひかりーっ!!おーっす!!」 和明がいの一番に手をふり呼び掛けた。 …もう全員いるんだ。 これが、バンドメンバー。 あたしの歌う場所。 祐夏は樹に飛びついて笑顔で話している。 樹は少しうろたえながらもまんざらではないようだ。 アサはそんな二人の様子を姉の様な目で見ている。