(あ、知ってる。この曲) 柔らかいメロディとゆったりした伴奏であたしが一番好きな曲だった。 前奏が終わり歌詞が乗る。 ん……? 「和明、そこの音違う」 「え?!まじで?」 違うなんてもんじゃない。相当ずれてる。 あたしがため息をつくと、和明は恥ずかしそうに頭をかいて苦笑いした。 「ギターの方は弾けるけど歌えないんだ」 うん、でも確かにギターは上手い。 初めてまだ半年くらいなのに。 「光莉、この曲知ってる?」 「もちろん」 「なら、さ。俺が弾くから歌って?」 「りょーかい」