ふたりが異変を起こしたのは、建物の中に入った直後だった。

まずあたしの後ろからついてきていたレンが、

「なんだっ……これ……!?」

って声をあげた。

あまりの大きな声にみんなの視線が集まる。

レンは、両手で頭を押さえる様にして、ふらふらとあたしの脇を通って廊下の先へと進む。