誰もいなくなった病室から見える夕焼け空はとっても綺麗な


オレンジ色だった…


「綺麗だな…」


ふっと漏れた嬉子の言葉だけが


静かな病室に響いた。


静かになると考えちゃう…


あの香水の香りを…


あの人を…


【ら】の次の言葉を…






椿は大丈夫かな…


そう思った時


サイレントにしてある携帯がひかった。


ディスプレイには椿の名前。


「メール…」


『今日は、本当にありがとう、
嬉子がいなかったら今、椿達は
 バラバラになってたと思う。
 感謝してもしきれないよ…
 嬉子はカラダも心も
 疲れ切ってるのに、
 椿達のためにありがとう!!!!

 今日はお疲れ様。
 はやく退院してね!!!!
 藍が沈んでるだろうから★笑
 
 遊基の彼女、椿より。』


結局、椿と遊基くんは仲直りできたんだね。


よかった…。


『いえいえ。
 お見舞いありがとう
 嬉子は、椿に感謝しても
 全然足りないくらいの
 愛情をもらってるから★笑
 椿のためならめちゃめちゃ
 頑張るんだからっ!!!!

 藍が干からびないうちに
 復帰するからねっ★!!』


そう返信して、寝ることにした。