試着室から出てきたあたしの手から

ワンピースを取り、


レジへと持って行ったお兄ちゃん




『ちょ、!』




あたしの声を無視して、


お財布を取り出して

お金を払ってしまったお兄ちゃん




『・・・帰ったら返すね?』




なんだか今日は、

お兄ちゃんに奢られっぱなしで


すごく、申し訳ない・・・。



すると




「いいよ、別に」




『え、・・・


でも・・・っ』




「彼氏、なんだからさ・・・


格好くらい、つけさせろよ・・・」




『・・・っ』





少し、頬を赤らめて言うお兄ちゃん



“彼氏”


その言葉が、とても胸に響いた



そして、彼の優しさに

心が、高鳴った