「手は・・・


繋げないけど・・・」





申し訳なさそうに言う

お兄ちゃん





『別に大丈夫よ?』





そう、あたしは


あなたと付き合えたことだけでも

すごく嬉しいの。


奇跡なの。


文化祭なんて、夢にも思ってなかったよ。





手を繋げなくても、


みんなに堂々とできなくても・・・



あなたの気持ちさえここに、

あたしにあれば、


それだけであたしは、安心できるの。










『じゃ、行こっか!』





あたしたちは、隣に並んで歩きだした


手は繋がないまま



手は繋いでないけど


心は繫がってる。






あたしたちは


最後の文化祭を存分に楽しんだ