「麻夜の事が…、スキ…。この気持ちに偽りはない。ただ…、今の先生は……、麻夜の傍に、ずっと居てやる事が出来ない…居たくてもーー
麻夜は、知ってるよね…先生には、家族がい、る…事を……
だから…、そのために時間がほしい…先生は、麻夜と居たいから………」








せん…せいっ……、何、言ってるんだろ…?






私、石山先生にご家族がいる事知ってるし、今は解らないけど、あの頃に仲良さそうなのを見た事あるから………






ご家族に向けての石山先生の笑顔を見て…、学校では見れないような笑顔だったから……、胸がきゅんってなったんだっけ、私……。








「先生に…、そんな風に言ってもらえて…すごく、本当に嬉しい……
でも、どう、し、て…先生ーーー
まだ、再会できてあまり経ってないし……
それに、先生は家族を大事にさーーー…」








最後まで、言えずに……
私の口を塞ぐように、石山先生の唇がーー…





こんなの、ヤダ………






だって、私。
どんな石山先生でもスキ…
先生してる時も、ちらっと見たお父さんの石山先生も……






私は、構わない……
傷ついても、傷つけられても、石山先生がスキだから…







でも、石山先生にはいつも笑顔でいてもらいたいの!!




だから、一時の、一瞬の気の迷いから家族を犠牲にとか考えないでほしい…






必死に、石山先生から離れようと、手で胸を押しても逆に手を掴まれて…離してくれない……






もう、お願い…先生……
こんな風に想ったら、涙が出て………







それに気づいた先生は、







「ごめん、本当にごめん…麻夜。痛かったよね…」







と、すごく辛そうな顔をしていて………









この時の、石山先生の気持ちを、ほんの少しも解らなかったんだ、私ーー…







そして、石山先生から聞かされる事に………