それから家に帰ったのは、次の日の夜遅く。


美和はあのぬいぐるみを抱いて寝てた。


「かわいいやつ」


美和の寝顔を見て思った。


あれからもう、何年もたつ。


それでも、あのぬいぐるみは家にある。


今は、美結の遊び相手だけど。


「龍矢、どうしたの?」


「いや、何でもない」


そんなことを思い出してたら、美和が不思議そうな顔して俺を呼んだ。


「変なパパ。美結、おいで」


美和が美結を抱き上げた。


「美和、代われ」


「えー美結はママの方がいいって」


「そんなこと言ってないだろ。なー美結」


声を上げて、嬉しそうにする美結。