好きだから、別れよう。




不安そうな顔をしている私の背中を、リカコは勢いよく叩いた。


「だ・か・ら・って!諦めたらそこで終わりだよ?

いいの?その人のこと、本気で好きなんでしょ!?」

私はリカコの問いに、力強く頷いた。



私は、あの人が好き。

諦めたくない。

そんな簡単に、諦められる気持ちじゃないよ…。



「よしっ!それじゃ、作戦考えなきゃね!」


リカコが楽しそうに言った。

「作戦?」


「そ。もっと近付いて、顔を覚えてもらわないと!

夏休み、今年もひとりで過ごすなんて嫌でしょ?」



…そっか、もうすぐ夏休み。

今年こそは、『彼氏』と夏を過ごしたい!!


――あの人と、この夏を一緒に過ごしたい…。






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