車で少し走ると、花火の上がっている海岸通りに出た。
マサキさんは、車を道路の隅に寄せて停車した。
「わっ!すごーい!キレー!!」
車のフロントガラス越しに見る花火。
思わず叫んでしまうほど、本当に綺麗だった。
赤や緑や黄色の、色とりどりの花火が絶え間無く空に上がっては消えていく。
「ごめんね!ホントは早めに来て、車停めて歩いて見たかったんだけど…時間なくて!」
「大丈夫です!充分キレーです〜!」
花火の音が大きくて、声を張り上げないと聞こえない。
「せっかく浴衣着てくれたのに…」
マサキさんは私の背中に、貸したままだったキティちゃんの団扇を挿す。
「でも、アヤちゃんのかわいい浴衣姿、俺だけ独り占め〜!」
そう言ってマサキさんは、私に少年のような笑顔を見せた。
マサキさん…
反則だよ。
そんな笑顔でそんな言葉…
期待しちゃうよ…?
.


