その夜、マサキさんに電話をかけた。



1コール、2コール、3コール……



…お仕事、まだ終わってないのかな?



やっぱり、メールの方がよかったかなぁ。





電話を切ろうと電源ボタンに手をかけたとき、コール音が途絶えた。



「もしもし!アヤ?」



ちょっと息を切っているようなマサキさんの声が聞こえて、

ホッとしたけど、電話をあてた左耳と心臓がドクドクいっているのがわかる。



「あ…マサキさん?お仕事お疲れさま。今…大丈夫?」



マサキさんは道路を歩いているのか、時々車の通る音がする。



「うん、大丈夫。今仕事終わったとこ!アヤの声聴きたいって思ってたらかかってきてビックリしたよ」



「私も…メールにしようかと思ってたんだけど、声が聴きたくなっちゃって」



マサキさんは「嬉しいこと言ってくれるね〜」と笑って、

周りを気にしてか、小さな声で「アヤ、好きだよ」と言ってくれた。







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