『………………え?』


戸惑っている楓華の声に胸が痛い。


《俺、なんとなく俳優やってるのなんか嫌なんだ。
だから、外国とか行って勉強しようと思ってる》


『‥‥いきなり過ぎだよ』


《だな…。
でも、もう決めた》


『…………………っ』


《俺にはずっと叶えたい夢があったから、それのためにはやっぱり今のままじゃダメだからさ》


『…聖夜は恋愛も夢もどんどん進んで大人になって行ってる。
あたしなんか置いてけぼりで…。
昔からあたし一緒にいたのに、そんな叶えたい夢なんか聞いた事なかった!』