「なんもねぇよ」 「嘘だ」 何という即答。 でもそれだけ自信があった。 零久斗は何かを言うために来たんだ。 言うまで見るつもりだったけどそれを見透かしてか零久斗のほうから口を開いた。 「一葉ちゃんだよ」 「え?」 今、この男の口から 私が今、一番会いたいと思っている人の名が聞こえた気がした。