「というか、今一葉の家のすぐ傍なんだけど」
《は?》
「……一葉の家に向かってるんだけど」



あれ、沈黙。







《もっと早く言えよ!!ちょっ…今出るから!道案内しろ!!!》
唐突にいいすぎたせいか、一葉の口調が強くなった。
受話器越しに
『痛っ』っていう声と物がぶつかった音も聞こえてきた。


《…で、どの辺だ?》
「ローソン付近」
《そこ動くなよ》
言うなり一葉は電話を切った。







「どんだけ近くなんだよ」