「一葉は強いんだと思います。
だから何も言わないけれど・・・
私だったら耐えられません。」

親から否定されたら私はきっと
自分の立ち位置をなくしてしまう。
何処に存在していいか、分からなくなってしまう。

「せめて会話でもしたらどうですか。
認めてあげたらどうですか。『一葉』って
よんであげたらどうなんですか。」

唇を噛み締めると口の中で血が出た。

「一葉は助けを求めているはず。
だから───・・・」


バンッ!!!!


「一葉・・・・・」
思い切り開けられた扉の向こうには


一葉がいた。









いつも通りの女子の制服を着て
確かにそこに立っていた。