唇が離れて、九条さんはあたしに謝った。 「…ごめん、いきなり。 やだった?」 あたしはうつむいたまま、首を横に振った。 嫌なはずがない…さすがちょっとビックリしたけど。 なんだかすごく恥ずかしくて、九条さんの顔を見られなかった。 「もう遅いし、送るよ。」 そう言って九条さんは立ち上がった。