「なんかいろいろすみません…ただ傘借りて帰るつもりだったのに。」 「別に…俺が勝手に部屋に入れただけだし。松本さんは気にしないでいいよ。」 九条さんはそう言って、ホットココアを口に運んだ。 なんか意外だなぁ…九条さんてこんなによくしゃべる人だったんだ。 雨で濡れちゃったけど、九条さんの意外な一面見れて、嬉しいかも~。 「あ…そうだ!あたしに何かお礼させて下さい。このままじゃ、なんか申し訳なくて。」 あたしは正座をして、背筋を伸ばして言った。