「とりあえずこれで髪の毛拭いて。…風邪引くといけないから。」 「あ…ありがとうございます。」 あたしは九条さんからタオルを受け取ると、髪の毛を拭いた。 「それと…ホットココア。」 九条さんは、薄い水色のマグカップをあたしに手渡した。 「…あ、ありがとうございます。」 え…ちょっと待ってよ。 なんでこんなに九条さん優しいの? あたしは、湯気が立ちのぼるホットココアを眺めながら、頭はパンク寸前だった。