「止め時がわからなくなるからね。」 そう言って笑う九条さんは、ますます意地悪だ。 あたしから離れると、九条さんは車を発進させた。 「あ…あたし家引っ越したんですよ。」 そう…九条さんに話してなかった…ママのこと。 「引っ越し? お母さんの仕事の都合とか?」 あたしは静かに首を左右に振った。