あたし達はみんなを見送ると、九条さんの車の助手席に座った。 久しぶりに座ったこの席に、なぜか目頭が熱くなる。 「やっと二人きりになれた。」 そう言って笑う九条さんは、相変わらず意地悪だ。 そしてあたしをまた、ギュッと抱きしめた。 「ちょ…九条さんっ。」 「俺…もうだいぶ限界なんだけど。」 「えっ?」 そう言って、珍しく顔を赤くする九条さん。