ー20時 シフトが終わって、帰ろうとした時、雨が降り始めていることに気がついた。 「…傘持ってないのになぁ。」 あたしは、店の外を眺めながらつぶやいた。 「松本さんどした?」 九条さんがやって来て、あたしの隣に並んだ。 「あ…お疲れ様です。傘を学校に忘れてきちゃって。」 「あ…そうだ、俺の家寄ってく? …すぐ近くなんだ。傘貸したげるよ。」