たどり着いたのは、人気の少ない防波堤だった。 「…りょーこ。」 足を止めると、急にあたしを抱き寄せた九条さん。 「…九条さんっ。」 二年振りに感じた九条さんの温もりに、あたしの目から、思わず涙が溢れ出た。 「会いたかった…ずっとこうやって涼子を感じたかった。」 「…あたしも。」 九条さんは優しくあたしの頭を撫でた。 …九条さんと一緒にいるとやっぱり落ち着くんだ。