そしてバッグを床に投げ、ベット倒れると、枕に顔を埋めた。

一人になると、やっぱり涙が止まらない。




トントン

「涼子?帰ってるの?」

「…うん。
ごめん…一人にさせて?」


あたしがそう言うと、ママの足音が遠ざかっていった。




あたしはそのまま、九条さんの言ったことをずっと考えていた。


「お互い好きでいられるために別れる。」

その意味があの時は、分からなかった。


でも、やっと分かった。




九条さんは、付き合ってるのにお互いの気持ちが離れていくのが怖かったんだ。

それなら、別れてお互い想っている方がいい。

…きっとそう思ったんだ。