「ね…涼子、最後にお願い。」 最後に………か。 「下の名前で呼んで?」 久々に見る、甘えた表情の九条さん。 「…遥斗。」 初めて呼んだ下の名前に…なんだかすごく照れる自分がいた。 顔がすごく熱い。 九条さんは、あたしをぎゅっと抱きしめる。 …やっぱりあったかい。 不思議とすごく落ち着くんだ。 「…もっと。」 「はるとっ。」 だんだんと強く抱きしめる九条さんの腕の中で…あたしは九条さんのぬくもりを感じていた。