10分後。
話し合いは終了していた。
本気になればテキパキと仕事ができる
メンバーなのである。
「…そういやさ、家庭科部の
卒業制作って今年なんなの?」
おもむろに健斗が尋ねた。
家庭科部では毎年
引退する3年生部員が
卒業制作と称して何かを残していく。
「ん?まだ考えてなーいっ」
のんきに答える部長・歩。
「なら、お守りとか作れない?」
勇希が提案する。
「お守りぃ?」
怪訝そうに雪奈が首をひねった。
「そう。
部活の県大会あるしさ。」
「あぁ、なるほど!」
「県行けるのってなに部?」
「えっと…男バスと剣道と
あと、たぶん陸上は行くよね?」
「もちろん!」
勇希の問いかけに
鈴香はガッツポーズで応える。
「ふーん…できないこともないなぁ」
「やるかっ!」
雪奈にんまり笑った。
「おし!決定っ」

