「喧嘩してるとこ悪いんだけど…静夜私に用があるんじゃないの?」
そう言うと小手川を片手で退け、私の元まで歩み寄る。
「次体育でしょ?そろそろ行かないと、着替える時間なくなるんじゃない?」
言いながら時計を指差す彼につられ、私達が時間を確認すると…
後十分で予鈴が鳴る時間だった。
「ヤバ!体育で制服来たままとか悲惨じゃん」
「くっ…私とした事が…」
それぞれが思い思いの言葉を告げながら、自席へと戻っていく。
そんなバタバタとした昼休みが、終りを告げようとしている。
皆大急ぎで、体育着を持って教室を後にした。
「ほら、ゆぅちゃんも」
そう言って手を差し出す静夜に、私は素直に頷きながら手を取る。
「でも今から走っても間に合わないかも…」
そんな不安を口にすると、彼は私に自分の体育着を持たせた。
「静夜なにす――」
「しっかり捕まってな、由亜」
え…?
そう口にした瞬間。
ふわりとした浮遊感と共に、彼の顔が近くなる。
どういう事だろう…
状況を把握しようとしたがその刹那、物凄いスピードで風景が流れて行く。
廊下にいる人々を縫う様に通り過ぎる。
そこで漸く、静夜が走っている事に気付いた。
しかも私を“お姫様だっこ”しながら――
そう言うと小手川を片手で退け、私の元まで歩み寄る。
「次体育でしょ?そろそろ行かないと、着替える時間なくなるんじゃない?」
言いながら時計を指差す彼につられ、私達が時間を確認すると…
後十分で予鈴が鳴る時間だった。
「ヤバ!体育で制服来たままとか悲惨じゃん」
「くっ…私とした事が…」
それぞれが思い思いの言葉を告げながら、自席へと戻っていく。
そんなバタバタとした昼休みが、終りを告げようとしている。
皆大急ぎで、体育着を持って教室を後にした。
「ほら、ゆぅちゃんも」
そう言って手を差し出す静夜に、私は素直に頷きながら手を取る。
「でも今から走っても間に合わないかも…」
そんな不安を口にすると、彼は私に自分の体育着を持たせた。
「静夜なにす――」
「しっかり捕まってな、由亜」
え…?
そう口にした瞬間。
ふわりとした浮遊感と共に、彼の顔が近くなる。
どういう事だろう…
状況を把握しようとしたがその刹那、物凄いスピードで風景が流れて行く。
廊下にいる人々を縫う様に通り過ぎる。
そこで漸く、静夜が走っている事に気付いた。
しかも私を“お姫様だっこ”しながら――


