少しだけ震える腕が…私を強く締め付ける。
けれど痛いわけでも、苦しいわけでもなく、ただ酷く安心する。
そう…――
それはまるで―――
『幼い頃の日々に戻ったかの様』
そう思うと嬉しくなった。
まだ少し…ほんの少しだけ震える静夜が、無償に可愛く思えてくる。
「ゆぅちゃん?」
不思議そうな声で私を呼ぶ彼。
「どうして笑ってるの?」
目線だけで応じた私に、彼は続けた。
そう言われて漸く、自分が笑ってる事に気付いて…
「何でもない!」
何故か凄く恥ずかしくなって、屋上の扉まで走る。
もう少しで扉に触れられる距離で、右手を引かれた。
「…何処行くの?ゆぅちゃん」
後ろから抱き締められ、耳元で囁く静夜。
胸がどきどきして止まらなくて、顔も何だか熱くなる。
「えっと…そろそろ授業に――」
「戻らなくて良いから」
私の言葉を最後まで聞かずに、強くそう言う。
それと同時に腕に力が込められる。
私は彼に完全に捕まっていた。
「戻らなくて良い。俺が分からなくて避けられてたなら…今すぐにでも俺を知れよ。」
背中越しに感じる静夜の温もり。
掠かに伝わる鼓動の早さは気のせいだろうか…?
「このまま昼まで俺と居よう?なぁ――」
“由亜”
けれど痛いわけでも、苦しいわけでもなく、ただ酷く安心する。
そう…――
それはまるで―――
『幼い頃の日々に戻ったかの様』
そう思うと嬉しくなった。
まだ少し…ほんの少しだけ震える静夜が、無償に可愛く思えてくる。
「ゆぅちゃん?」
不思議そうな声で私を呼ぶ彼。
「どうして笑ってるの?」
目線だけで応じた私に、彼は続けた。
そう言われて漸く、自分が笑ってる事に気付いて…
「何でもない!」
何故か凄く恥ずかしくなって、屋上の扉まで走る。
もう少しで扉に触れられる距離で、右手を引かれた。
「…何処行くの?ゆぅちゃん」
後ろから抱き締められ、耳元で囁く静夜。
胸がどきどきして止まらなくて、顔も何だか熱くなる。
「えっと…そろそろ授業に――」
「戻らなくて良いから」
私の言葉を最後まで聞かずに、強くそう言う。
それと同時に腕に力が込められる。
私は彼に完全に捕まっていた。
「戻らなくて良い。俺が分からなくて避けられてたなら…今すぐにでも俺を知れよ。」
背中越しに感じる静夜の温もり。
掠かに伝わる鼓動の早さは気のせいだろうか…?
「このまま昼まで俺と居よう?なぁ――」
“由亜”


