worlds of last generationシリーズ 第一部

「何か焦ってたみたいだからさ。どうしたのかなぁ〜って」
そう言いながら彩葉は、私の背後から正面に回って机とfortoPC越しに私を見つめる。
「何か気付かない内に、授業と関係ない画像と文章が画面にあったから…ちょっと驚いただけだよ」
「ふ〜ん」
私が答えると、彩葉は納得していない感じで相槌を打つ。
どことなく寂しそうなのは気のせいだろうか…?

「彩葉?どうし――」
『あぁ〜!!』
劈く様な大声に、紡ごうとした言葉を遮られる。
何事かと思い辺りを見回せば、教室の入り口に立つ人物を発見した。
「ゆぅちゃん!!良かった教室にいて。次は選択科学だよ。僕と教材当番なんだから早く行こ?」
そう一人で捲し立てながら、腕を引いて私を立たせる。

「嘉住?まだ休み時間始まったばっかりじゃない。そこまで急ぐ必要あるの?」
「えぇ?だって面倒な事は早く終わらせたいじゃん?」
彩葉は不審そうな目で彼を見つめながら言う。
そんな視線に気付いているのか分からない位、飄飄とした態度で返す彼。