worlds of last generationシリーズ 第一部

何時もなら心地の良いゆっちょの響く声も、今日は何だか雑音にしか聞こえない。
何を話しているのかさえ分からない状態で、もう何のためにここにいるのかさえ分からなくなりそうな位…私は昨日の出来事を何とか理解しようと考え続けていた。
このまま考え続けたら知恵熱でも出るんじゃないかって言うくらい、何時もなら滅多に使わない脳をフル稼働させている。
それでも見えてこない…人知を越えた存在。
それが仮面の男だった。

何故私に？
どうして消えたの？
光だけ残ったのは何故？

沢山の疑問は溢れるばかりで解決しない。
一体彼は何者なのか…そればかり考えていた。
そうしている内にいつの間にかホームルームは終わっていて、心配そうな彩葉の顔が視界に入る。
「由亜…何かぼーっとしてるけど大丈夫？具合いが悪いなら早退しなよ？無理するのは良くないし、何よりも柄にも無く誰かを心配してり鴫野が気持悪いしね。」
「おい待て三鼓!それはどういう事だ!」
何時も以上に優しく頭を撫でる彩葉とは対照的に普段通り…いや、普段以上のオーバーリアクションと明るい声で抗議する鴫野。
「そのままの意味よ」
冷静に良い放つ彩葉の目は、何処か呆れを含んでいた。