一章/偽りの平穏 (前)

けたたましく鳴り響く音で目を覚ます。
煩く響いている原因を急いで止め、眠い目を擦りながらベッドから起きた。
目覚ましで時間を確認した後、私はパジャマ姿のまま一度部屋を出る。
二階の一番奥に位置する私の部屋から、廊下を少しだけ歩き階段まで行く。
階段専用スペースへ着くと、手をかざしデジタル画面を出現させた。
家は二階建てなので、起動させるだけですぐに一階へと降りる事が出来る。

一階へと降りると、目の前に扉があるが無視して廊下を左に進む。
一番突き当たりの扉に手をかけ、中へと入る。
そこは洗面所とお風呂場のあるスペースになっていて、洗面所は脱衣場も兼ねていて洗濯機等も置かれていた。

私は洗面所で顔を洗い、眠気を覚ます。
春と行ってもまだ肌寒いこの季節に、水での洗顔はかなり辛い。
素早く洗顔を済ませタオルで顔を拭くと、洗面所を後にする。
もう一度階段専用スペースまで行き、二階へ上がって部屋に戻った。