「イジメって楽しい?」 低く、ゆっくりと声がした。 「桐谷仁!」 僕をイジメていた男たちは、 桐谷君の顔を見るなり、 逃げて行った。 「たまには、お前も言い返せ」 背を向けて歩き出した。 彼は、桐谷仁。 同じクラスの不良。 でも、いつも助けてくれる。 泥だらけの制服を叩きながら、 教室へと僕は歩き始めた。