気がつくと家の中にいた。 どうやって帰ったのか覚えていない。 歩いたのか、タクシーを拾ったのか…。 家の中にいても震えは止まらなかった。 涙も流れたままだ。 「恐い…助けて…」 亜美の声は小さくて細く、今にも折れてしまいそうだった。 「私…もう嫌だよ…やめてよ…」 昔のことが嫌でも思い出される。 思い出したくない、消したい過去。 目の前がぐらぐらする。 自分が立っているのか、倒れているのかわからない。 亜美は錯乱状態になっていた。