翌日、祐樹はクラスに紹介された。その日は休み時間のたびに質問攻めにされ、流石に疲れを隠せなかった。

 土曜は午前中だけで学校は終わる。疲れた祐樹は帰りのHRが終わるとすぐに帰ろうと荷物を鞄に詰め、教室を出る。

「国崎君」

 下駄箱で靴を履き替えたところで後ろから声をかけられ祐樹は振り返った。そこに居たのは昨日話したメガネの少年だった。この学校にいる男子は全て同じクラスだった。彼は平松というらしい。

「咲宮さんに聞いたかな? 今日草野球の試合があるんだ。見に来てくれるだけでいいんだ。待ってるから」

 そういい残すと平松は走り去ってしまった。

「こっちのヤツラって皆こんなに一方的なのか?」

 祐樹は昨日の唯華の事を思い出して少し笑ってしまっていた。そんな自分に気付くと頭を振る。それから家に向かって歩き出した。

 家に帰ると着替えてベッドに横になった。祐樹はベッドの下に落ちていたぐしゃぐしゃに握り締められた紙を拾い上げそれを広げて見つめた。