「仁、なんで?」 呆然とする私に怜は私から手を離す。 「じゃあ夏希、俺行くわ」 そう言い怜は校舎へと入って行く。 どうしたらいいの? 私が戸惑った顔をしたからか、仁がおもむろに口を開く。 「あいつ、誰?」 「同じクラスの怜」 「お前とどんな関係なの?」 「友達」 これじゃまるで尋問のようだ。 「じゃあ…友達ならなんで抱き合ってんの?」 苛々した様子でそう言って来た仁に私は不快感が表れた。 「なんで仁にそんなこと言われなきゃなんないの?別れよって言ったのは仁じゃん!」