「辛かったな」 掌を頬から後頭部へと移動させて私を抱き寄せた。 「怜、彼女にバレたら怒られるよ?」 「違う学校なんだし、バレなきゃいいんだよ。」 「ふふっ最低だね」 そんなこと言いながらもちょっと痛みが和らいだ。 ━━━━━「夏希!」 え? 間違えない。間違えるわけがない。 これは、仁の声だ。