「石川、進路どうすんの?」


「進路?」


いつのも席に座って、石川が俺に疑問形で答えてきた。


今は7月。


もうすぐ学校も夏休みになる。


あれから少しずつ、石川が俺に話をしてくれるようになった。


「涼し~」


クーラーに当たりながら、のんびりした声を出してる。


「石川、だから進路」


「そんなのすっかり忘れてた」


でもまだ、あの悲しい目をするし。


心から笑ってはない気がする。


「進路調査票、出してないだろ?」


「どうして知ってんの?」


「たまたま聞いた。お前の担任が話してるの」