鞄を持って、玄関に急いだ。


朝から怒られるなんてうんざり。


「愛花!お弁当は」


背中から、お母さんの声が聞こえた。


それを無視して、家を出てきた。


頭がガンガンする。


身体も重い。


昨日の夜から降り出した雨は、まだまだやむ気配がない。


イライラする。


傘に落ちる雨音が。


余計に、イライラさせる。


授業なんか、集中できない。


耳から耳に、流れてく。


いつの間にか、ノートを取るのすらやめてた。


ただ、窓からやまない雨を見てるだけ。