「さっき外に、忘れ物してきちゃったから取りに行ってくるね」


「じゃあ、あたしも行く」


「ダメだよ。風邪引くから、今すぐお風呂に行きなさい」


「うん」


「お姉ちゃんのベットに入ってていいからね」


「うん」


心葉の頭をなでて、玄関を開けた。


「お姉ちゃん、傘!」


心葉が、傘立てから私の傘を取り出してるところを見たけど。


それをもらう前に、玄関を閉めた。


雨に濡れた身体が、もっと濡れた。


白い七分のTシャツが透けて。


中のキャミが見えるくらいに。


ありえない。


叩かれた頬が、ジンジンする。