心~保健室の先生と私~

私は、叩かれた頬を手で押さえた。


「いい加減にして。自分が喧嘩してイライラしてるからって、私に当たらないでよ!」


「愛花!」


私は、お母さんを押しのけて玄関に戻った。


「お姉ちゃん?」


たぶん私たちの声は、心葉まで聞こえてたんだと思う。


玄関で、心葉が小さく震えてた。


雨に濡れたからってのもあるけど。


今の声を聞いて、ビクついたんだと思う。


「心葉、これで身体拭いて」


さっき持ってきたタオルを、心葉に渡した。


「うん」


小さな手で、それを受け取る心葉。


「心葉、一人でお風呂入れるよね?」


「お姉ちゃんは?」