心~保健室の先生と私~

「どこって、どこでもいいでしょ?」


なぜか私も、そんな風に答えてしまった。


「心葉の部屋に行ったら、心葉が居なくて。愛花の部屋に行ったら、愛花も居なくて」


「だから、私たちがどこに行ってたって、お母さんには関係ないでしょ?」


「どうして、そんな風に言うの。こっちは、心配してたのよ!」


「心配?お母さんが心配してるのは、お金のことだけでしょ?」


「愛花!」


私はお母さんを睨みつけた。


「何で私たちが、外に出て行くかわからないくせに」


毎日毎日、喧嘩。


「子供がこんな時間に居なくなったら、心配するでしょ」


「嘘。心配なんてしてないくせに。心配なのは、お金だけ」


バシン


お母さんの右手が、私の左頬に飛んできた。


熱い。