愛花は俺の胸から、顔を上げた。


俺と愛花の視線がぶつかった。


「一生、俺が愛花の傍に居る」


「先生」


「泣きたいなら、泣けばいい。俺がずっと抱きしめてやる」


そっと愛花の髪をなでる。


「辛いなら、辛いって言え。俺が全部、もらってやる」


「先生」


「お前の心も身体も、全部俺が守ってやる」


「ありがとう」


「壊れそうになったら、俺が支えてやるから。なにも我慢しなくていい」


「うん」


「だから今すぐじゃなくても、いつか笑って」


「うん」


「きっと、お父さんも愛花の笑顔が見たいよ」